労務相談
Q
メンタル不調を抱えた従業員の業務軽減措置を検討しております。軽い職務へ変更を行い、給与も引き下げたいと考えておりますが可能でしょうか?
A
従業員の体調に配慮した職務の変更自体は可能かと考えます。しかし、給与の引き下げを伴う場合は不利益変更に当たる可能性があり注意が必要です。
職務の変更に伴う給与の引き下げには、就業規則の明確な根拠が必要になります。過重労働の軽減措置として職務の変更を行うこと自体は、従業員に対する不利益が大きくなく、それが人事権の乱用に当たらなければ可能となります。ただし、給与の引き下げに関してはそれとは別問題で別途検討を行う必要があり、精神の疾患により職務に耐えることができず担当職務が変更となった際には給与の引き下げを行う場合がある、などといった旨があらかじめ就業規則に規定されていて初めて行えます。また、規定されていたとしても、従業員への事前の説明や同意が得られていない場合には、不利益変更に当たる可能性があることから、その対応には十分に注意を払う必要がございます。
注)上記解説は私見を含めた一般論であり、実際のケースでは個々に背景が異なるため個別具体的な対応が求められます。
ご参考程度に留めて頂き、実務対応では社会保険労務士や弁護士等と協議の上、ご対応なさって下さい。