Q
業績が年々悪化して赤字になりそうなため組織をスリム化したいと考えています。整理解雇を行うことは可能でしょうか?
A
現状として黒字のため、まずは赤字を回避できる方策の検討が必要です。なんら方策を講じずに行った整理解雇は無効と判断される可能性が高まります。
整理解雇の有効性の判断は、以下4つの要素を総合考慮する判断手法が主流になっております。
①人員削減の必要性 経営の維持・改善のために従業員を削減する必要性があったかどうか?
②解雇回避努力 人員削減の必要性があるとしても、使用者側が整理解雇を避ける努力を尽くしたかどうか?
③人選の合理性 客観的に合理的な基準に則って人選を行ったかどうか?
④手続きの妥当性 事前に誠意を持って説明・協議を行ったかどうか?
整理解雇はできる限り回避したいところですが、やむを得ず行わなければならない際には、上記4要素を総合的に考慮した上で実施是非の判断をなさって下さい。
注)上記解説は私見を含めた一般論であり、実際のケースでは個々に背景が異なるため個別具体的な対応が求められます。
ご参考程度に留めて頂き、実務対応では社会保険労務士や弁護士等と協議の上、ご対応なさって下さい。
「労務トラブル」 に関連する他のトピック
-
労務トラブル
会社として許容できない非違行為を行った従業員がいます。就業規則の懲戒解雇規定に同行為は規定してありませんが、懲戒解雇を行うことは可能ですか?
-
労務トラブル
雇用期間の満了を迎える有期契約の従業員がいます。雇用期間が満了すれば、当然に辞めてもらうことは可能でしょうか?
-
労務トラブル
今回60歳を迎える従業員で仕事上のミスが多く反抗的な者がいます。解雇事由があるとして再雇用の拒否はできますでしょうか?
-
労務トラブル
退職の申出を撤回したいという元従業員がいます。退職を取り消し、復職させないといけないのでしょうか?
-
労務トラブル
有期契約の従業員から無期転換の申込がありました。無期転換を行う際に何か注意することはありますか?