日頃の労務管理で生じる疑問やお悩みに関して、一般的な法解釈を踏まえた対応例を
分かりやすくQ&A形式でご紹介します。

労務手続き

Q

在宅勤務を行う従業員のパソコン購入費やインターネットの通信費のために手当を支払う場合、社会保険料の算定基礎に含める報酬に該当しますか?

A

一定額を支給してその用途を問わない場合は報酬に該当します。他方、業務遂行に必要な費用にかかる実費相当分に対応するものは報酬に該当しません。

社会保険料の算定基礎に含める「報酬」とは、賃金・給料・手当・賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受ける全てのものをいいます。他方、事業主が本来負担すべきであるものを労働者が立て替え、その実費弁償を受ける場合には、労働の対償とは認められないため、報酬には該当しないとの取扱いがなされています。そのため、在宅勤務について、いわゆる在宅勤務手当を支払う場合には、その手当の趣旨が実費弁償に当たるものか否かを検討し、実費弁償のためでなく一律に支払う場合などは報酬に該当し算定基礎に含める必要があり、実費弁償のためであれば報酬に該当せず算定基礎に含める必要はありません。手当の名称にとらわれず、実態で判断する点がポイントとなります。

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