日頃の労務管理で生じる疑問やお悩みに関して、一般的な法解釈を踏まえた対応例を
分かりやすくQ&A形式でご紹介します。

労務手続き

Q

60歳で定年となった従業員を、嘱託社員として労働条件を見直し継続雇用します。手続きで何か注意すべき点はございますでしょうか?

A

月額算定時や月額変更時以外にも、標準報酬月額を見直すことができます。利用するメリットは大きいので、忘れずに手続きを行いましょう。

定年退職後に継続雇用され、給与額が見直された場合には、一旦社会保険を喪失し、新たに取得し直すことで、標準報酬額を見直すことができます。これを「同日得喪」と言います。同日得喪は任意の届出ではありますが、従業員や会社の社会保険料の負担が軽減されるため、忘れずに手続きを行っておきたいものです。なお、この同日得喪は定年退職後の継続雇用時のみではなく、嘱託社員(有期契約)の1年ごとの契約更新時時に給与額が見直される度に利用することもできます。ただし、一方で標準報酬月額が下がることにより将来的な老齢厚生年金の額や傷病手当金の受給額が減るなどのデメリットもございますので、従業員への説明は欠かさずに行いましょう。

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